どう考えても、酵素ドリンクと酵素サプリに痩せや健康作り効き目はないとしか思えないんですけど?
前からうさん臭さしか感じてなかった酵素系健康食品。実は以前にも調べたことがあるものの、どうしてもエビデンスが見つけられない状態に陥ってました。
とはいえ時間がたっているので、何かある?といろいろ調べたわけですが、やっぱりかわってないじゃん!結局、意味なしってこと?と思ったお話など…
まずは、酵素って何?ってところから
私たちの身体の中には酵素がたくさんあり、生命維持やら健康作り、美容に欠かせない存在です。生きていくには欠かせないわけですね。
その酵素は、大きく分けて2種類あって、体の中で作るものと体外から摂取するものがあります(ややこしくなるので、代謝酵素と消化酵素の話はカット)。
さて、体内酵素は今どきの食生活やストレスフルな生活、加齢によって減少していきます。と、ここまでは酵素メーカーも書いていることで、異論をはさむ余地はありません。まさに、その通りです!
ひとつの酵素の役割はかなり限定的
さて、ここからは、酵素メーカーが書かない内容です。
ひとつの酵素は、基本的にひとつの役割しか果たせません。それは、「消化」とかいうでっかいくくりではなく、ひとつの酵素はひとつの栄養素を消化する(しかも一歩進めるだけ)の役割しかもたないんです。
例えば、唾液に含まれる「アミラーゼ」は、ご飯やパンに含まれる「でんぷん」を二糖といわれる「マルトース(麦芽糖)」に変えることしかできません(本当はもうちょっと複雑だけど)。
酵素は、こんな限定的な仕事しかできないので、体内に数千~数万種類あるといわれています。しかも、酵素が働くには「補酵素」が必要だったりするので、さらに複雑!
何をするにもいろんな要素を組み合わせながら、壮大なことを体内でやってのけてます。
失った酵素の代わりを果たせるの?
さて、酵素サプリは「酵素数200種類」などと、その多さを最大の売りにしているものがあります。中には、商品名に数字を付けちゃってるものもあります(数字があっても、原料数だったりするので混乱もしますが…)
私が見た中では、酵素数563種というのが一番多いかと思います。
500を超えるなんて、確かに他社製品に比べると多いのですが、体内に酵素が数万あることを考えると大騒ぎするほどの数字ではありません。しかも、その作用が、加齢などで失っているといわれる酵素の働きを補うような働きをする確率なんて、か~なり低いはず。
そもそも、食品から摂取できるのは「食物酵素」で、加齢なんかで減ってるのは「体内酵素」なわけですから、違うもんじゃん!!って話です。
もうひとつ言えば、食物酵素は胃に入ったら胃酸の影響で死滅しちゃうんだよね~なんて、根本的なお話もあります。
メーカーの言い分はうやむや
この部分、酵素メーカーは「減ってしまった酵素を食品から補う必要がある」と盛んに書いているだけで、「何チャラという酵素が減少し、それを何チャラという酵素が補います」なんて具体的なことは一切書いてない。
いやね、商品を売るのに、こまかい酵素の名前なんて書かなくてもいいんですよ。ややこしい話だし。でもね、何らかのエビデンスやら、どこかの研究所と共同で分析したところ…みたいな論文があってもいいはずだと思うんです。
でも現実には、ひとつもないわけですよ、これが!!
じゃぁ、何を信じろと?って話です。
サプリはどうなってるのか?
「健康食品なんて、そんなもんじゃないの?」とサプリ信者の反論をくらいそうなので、他のサプリの話を書いておきます。
例えば「ビタミンC」。
ビタミンCサプリのボトルには限られた情報(記載が認められた情報)しか書いていませんが、病気治療に積極的に使っているところがたくさんあります。
中には、うそでしょ?というくらい、ビタミンCをジャバジャバに点滴で入れまくってガンを克服したと言い張ってるものもあり、具体的な治療法もあります(アメリカの治療法ですが、日本語で本も出ています)。
「だからビタミンCがいい!」と主張するかどうかは別の問題なのですが、少なくともエビデンスや臨床結果が発表されているので、納得できる答えを自分で導き出すことができます。
でも、酵素サプリにはない!
ただ、やみくもに酵素を摂取すれば、痩せられるだの健康になれるだの、肌がきれいになれるだのと暗示にかけられてる状態。そんなの、私の一番嫌いなパターン!!
だから私は酵素サプリは飲まないわけです。
「酵素サプリっていいっすよ」と、やたら勧めてくる人。お願いだから、納得できる根拠を示してちょうだい。
ちなみに…
食物酵素は、新鮮な野菜や肉に存在していまして、例えばレタスを丸ごと一個買ってきてちぎってすぐに食べれば、良質な酵素を摂取できるといわれています。りんごもみかんも同じ。肉にもしっかり入ってます。
って、これをいうと酵素信者は「でもそれって所詮、酵素1つでしょ」とバカにしてくる。人にたくさんの酵素があるように、ひとつの食品にも複数の酵素があると思うんだけど、この部分も今ひとつ解明されてないのよね(私の知る限り)。
ってことで、酵素の化学的なしくみなんてわかんなくてもいいから、せめて明確な臨床結果だけでも示してちょーだいよ。誰か~!