余った予算はどう使う? すっごい依頼がきちゃったよ~
3月ですね。日本では、今月が会期末というところが多いでしょうか。
(個人事業な私は年末締めの確定申告ですけどねww)
そんな年度末なある企業から、「こんな依頼、はじめて聞いたゎ!」という発注がきました。大企業、すごいね!というお話です。
予算が余ってるので、何でもいいから書いてほしい
その企業は、東京の中心地に自社ビルを何本か持つところ。最近できたノリノリの会社ではなく、歴史もある会社だと記憶しています。
私はここ数年、何度かお仕事をさせていただいてますが、「ギャラは決して安くはないけど高くもなく、その割に細かい修正が多い」という印象です。納期はゆるいことが多く、そのせいで修正も多くなるので、時間&精神的な余裕がないときに受けると、大変な思いをするところのひとつです。
さて、そんなクライアントから、メールがピロンッと届いたのが数日前。
「年度末で予算が余っています。何でもいいので書いてもらえませんか?」
この手の依頼は過去にもありましたが、ギャラはいいものの、クライアントに明確なGOALが見えていないために執筆にてこずることが多い案件です。しかも時間がタイト(月内納品しないと意味がない)ために、かなり疲れます。
結局、「何でもいい」と言いながら、実際に何でもいいというわけではないわけです。まぁ、当然ですけどね。
時間内から五十音をひたすら繰り返すだけの原稿でもいいの?と言ってみた
ちなみに今月の私は、先月の入院の影響で後ろ倒しした案件がいくつかあり、スケジュールはかなりタイト。お金はほしいけど、めんどうな案件は増やしたくないので、
「ホントに何でもいいなら書いてもいいけど、それって罠だからイヤだ!」
という趣旨の返事をやんわりとした表現で返したわけです。
すると、ほどなく返信が。
「本当に何でもいいんです。予算を消化したいので、助けてください」
へ? お金が余ってるから助けろと? しかも、必死かよっ!
個人事業でひーこら言ってる私には、まったく意味の分からない世界ですが、人助けをしている時間は、今の私にはない。ってことで、
「五十音を既定の文字数になるまで繰り返すとかならできるけど、何でもったって、そんなわけにはいかないでしょ?笑」
と、返しときました。すると翌日・・・
「それでOKです!よろしくお願いします。できれば2本、よろしくです!」
って、お前はアホか!
もちろんね、本気で五十音を繰り返すだけの原稿を納品したりしませんよ。それは自分が許せない。それにしてもさ、本当に何でもいいなんてあるわけ?
それって、予算を捨ててるようなものですやん!
余った予算は種まきに使う
どうにも理解に苦しんだ私は、「なんで?予算消化しないと、来年予算が減らされて困るってこと?」と率直に聞いてみた。
すると、こんな返事が・・・
「今の部長は、『あるものは有効に使う』という方針で、予算もそのうちのひとつ。あまった予算は、来年度以降も仕事をしたい取引先に使えという指示がでました」
つまり、今回余ったお金をばらまくことで、次に無理な依頼をしたときに受けてもらおうという考えなわけだ。つまり、種まき。
納得。深く納得。ある意味、販促費みたいなもんなんだねぇ。
聞けば、その部長さんは(会ったことないけど)、社内でも有名なやり手ならしい。
交際費も多いけど、業績はどんどん伸ばす。あまりに交際費が高く、「賄賂を贈ってるんじゃないか?」と疑惑がでたこともあり、それを正すと、「費用対効果の高い賄賂なら、どんどん送りたい。ただこの業界では、そんなおいしい話はない!」と言い切ったとか。おもしろい人だ!
ということで、私はまんまと賄賂・・・じゃなかった、ギャランティをいただくことに。とはいえ、その原稿作成に今、苦しんでます。ほんとに五十音を納品したい・・・。