思秋期ライターの備忘録

気付けばフリーランス歴18年。インタビュー人数1000人オーバー。48歳の不健康女、原田園子が好きなことだけを勝手に書くBlog

起こるべくして起こったキュレーションメディア問題。素人同士で作ったんだから当然だ!

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Welqに端を発し、DeNA関連のキュレーションメディア9つがすべて非公開になりました。次いで、他の大手メディアにも記事非公開化が波及しています。ちょっと考えれば、いつかこうなるのはわかったはず。なのに、実際はちゃんと考えてなかった人が多かったようで、傷が広がったのは自業自得ともいえます。

ということで、実際に私のところに舞い込んできた数々の案件の裏側を、そのまんまに紹介し、自分なりに分析をしていこうと思います。

 

 いい加減な記事量産の裏には、にわかライターが多数存在した

今回の件で、「クラウドソーシングサイトを使って記事を量産した」というのは、すでにあちらこちらで言われています。

これを裏返せば、子供の小遣いのような価格でしょうもない記事を書く「自称ライター」がいっぱいいたことになります。今は「いい加減な記事が量産された」ことばかりがクローズアップされていますが、その裏には「いい加減なライターが量産された」ことにより、被害をこうむっている素人がいっぱいいることにも目を向けるべきでしょう。

ちなみに、キュレーションメディアの記事を書く人を「キュレーションライター」なんて、カッコいいネーミングで呼んだりします。でも実際にやってることは、ただのパクリ屋。

悲しいことに、「マニュアル」という名のパクリ指南書があり、それを鵜吞みにし、「まさか自分が片棒を担いでいた」なんて考えもしなかった(そして今でも考えていない)人が大勢いるのです。

 

キュレーションサイトとクラウドソーシングはともにヨチヨチ歩きのビジネス

この背景には、広告費目当てに簡単にキュレーションメディアを作ってしまったDeNAのような企業が存在する一方で、クラウドソーシングという、まだ歩き始めたばかりのビジネスがタイミングよく存在したことが関係しています。どちらも、まだ成長期をむかえたばかりのビジネスです。

クラウドソーシングは、本来、「企業が企業に発注」していた仕事を「個人に発注」できるようにしたもので、企業に属さない主婦や副業をしたい社会人が簡単に仕事を探せるメリットがあります。

一方。企業側には、「安く仕事を発注できる」という大きなメリットがあります(ここについては言いたいことが山のようにあるので、別の記事で書きますが)。

ここで見事に需給関係が成立したわけですが、ここには大きな問題がありました。それは、まだ正しい答えがでていないのに、双方が素人で、考えが甘かったことです。

キュレーションサイトという新しいメディアと、クラウドソーシングを使って働く場を得た素人同然のライターが、著作権薬事法というものの存在を「チラッ」っと言った(聞いた)だけで分かったような気になり、独自見解のもとに進めてしまったわけですから、問題は起こって当然なのです。

そもそも、今でも「薬事法が」といってる時点でちゃんと分かってないことを証明しているわけですが、そんなことが分かるはずもない方々がたくさんいて、そうゆう人たちがキュレーション記事を量産していったことを理解しなければいけません。

 

それでも、なくなるべき存在ではない

さて、私はこれから、いくつかの切り口で、今回の一連の騒動に対する個人的な見解を文章にしていくつもりなのですが、望みはひとつ。

この騒動をきっかけに、WEBの中にあふれる情報も、キュレーションライターというかっこいいネーミングに踊ってしまっている人も、クラウドソーシングという新しいビジネスも、全部正しい方向を見出し、歩き出してほしいということです。

間違った手法を真なんてしまったライターは正しい方法を学べばいいし、クラウドソーシングは正しい方向で発展していくべきだし、キュレーションサイトだって、正しく運営されればすばらしい存在になるはずのもの。

不寛容社会の今、「キュレーションサイトなんてなくなっちまえ」「クラウドソーシングなんてムダな存在」と声高に叫ぶ人がたくさん出てきそうですが、「そうじゃない!」という方向に進むよう、あえて今はマイナスな部分をしっかり伝えていきたいと思います。