思秋期ライターの備忘録

気付けばフリーランス歴18年。インタビュー人数1000人オーバー。48歳の不健康女、原田園子が好きなことだけを勝手に書くBlog

日本文化を発信したい!でも無収入なことに時間をさけない貧乏人の叫び

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先日、お箸の老舗に取材に行きました。

日本人なら誰でも使える(正しいかは別として・笑)お箸は当たり前ぎてあまり意識しないものの一つですが、日本の食文化と、日常に芸術を求める日本人の気高さを象徴する文化のひとつ。当然のようにそこにある伝統に触れながら、このすばらしさを日本人と海外の人に知らしめたいと心が動きました。

箸文化は数あれど、日本のお箸は一味違う!

お箸を使う文化は、日本以外にもアジアにいくつかあります。でも、日本以外の国は、食事をする道具のひとつとしてお箸があるだけ。その一方で、日本のお箸は食事をする唯一の道具として日本の食文化を支えてきました。

今は伝統的な和食でも、茶わん蒸しを食べるために木製のスプーンがでてくるのが当然のようになっていますが、そうなったのは洋食が日本に入ってきて以降のこと。それまでは、何でもお箸だけで食べていたそうです。

さらに、日常的に使うお箸にさまざまなサイズを作ったり、絵をかいたり、つやを出したりと、使いやすさと芸術性を両立させる観点は日本人らしい粋。

それでいて、箸を正しく持つのはかなり難しく、決して簡単なことではないのに、小さいころから親が教え、社会人になってからの評価の一端にもなるのは、日本人の几帳面さともリンクします。

そんなお箸に隠された深い日本文化に触れながら、この素晴らしさを正しく発信する術をもたことへの歯がゆさも痛感したわけです。

お箸屋の社長とも「この文化を世界に発信したい。その前に、日本人にも知ってもらいたい」と盛り上がり、それ以来、何とかする方法はないものかと考えています。

最大の問題は、時間とコストをどう捻出するか?

もちろん、発信するというだけであれば、ブログを戦略的に活用していくのが手っ取り早いのはわかっています。英語での表記をきっちりと行っていけば、海外の人も見ることができるでしょう。コンテンツをしっかり作りこめば、アクセスも稼げるはずです。

ただし、自己満足に終わらせないためには、それなりの時間とコストをかけたサイトを作らなければなりません。しっかり取材をし、いい写真を撮って、ビジュアルにもこだわったサイトを作ることも重要でしょう。

でも・・・

そこにエネルギーを注げばライター業に注力する時間が減り、収入が減少するのは必然。さらに、取材に行くにはお金がかかります。収入につながらないことに時間とコストをかけることができるのは、十分な収入がある人にのみ許された贅沢。私のようにしがないライターが長くこの活動を続けるためには、何らかの収入を得て、せめて経費だけはそこから捻出できる体制を作らなければなりません。

お金がない分、知恵を絞るしかない

では、どうするか?

そこが問題になります。

日本文化を世界に発信したい!といえば、「すばらしい!」と賛同してくれる人はたくさんいるでしょう。「うちの商品もぜひ紹介して!」「どこそこに、すばらしいものがあるよ」と教えてくれる人もいるでしょう。

でも、多くの人はお金を出してまで紹介してもらおうとは思わないはず。しかも紹介料ありきで進めると、本当にいいものを紹介するという本質からずれかねません。ここはブレてはいけないところ。

いずれ、紹介した商品を通販できるようにしてマージンを得る、なんて方法もあるかもしれませんが、単価が低いものもしっかり紹介したいと思えば、それもあまり現実的な話ではない気がします。

難しいものですね。

思秋期になり、日本の良さを伝えるのも使命だと感じる今日この頃。しばらく頭を痛めながら、ない知恵をカスッカスになるまで絞ってみたいと思います。

「金がないなら頭を使え!」

そんな人生の師の言葉が頭をぐるぐる回っています。